炎に近いところでは顔にまで炎の熱気が届き、
少し後ろに下がりたくもなるだろうが、
身じろぎもせず炎を見守り続ける。
数十分が経ち徐々に火柱の勢いが弱くなってきた頃、
平安時代から変わらぬ作法で炎に願いを込め、
煩悩を焼き尽くす祈祷はクライマックスに近づく。
ほどなくして僧侶の読経が止み、
うやうやしく御仏への御礼とご挨拶を終えると僧侶たちは
順序よく整然と護摩堂をあとにする。
人々が炎を中心にしてUの字に囲み火柱のゆらめきに手を合わせる。
火柱がたつほどの炎(ほむら)。
抹香や線香と木片の燃えた煙が混じりあった匂いが漂い、
中央の一段高い位置に座して護摩札を「不動明王の御口」に
焚べる僧侶。
その後ろでは数人の僧侶が太鼓に合わせて一糸乱れぬ読経。
これは護摩供、護摩祈祷、お護摩といわれる祈祷の様子です。
護摩は弘法大師空海によって唐から日本に伝えられ、真言宗ではとても重要な祈祷の作法として確立しました。
弘法大師空海
護摩の炎には
・供物を捧げて願望を聞き入れてもらう
・心を汚している煩悩を焼き尽くす
などの意味があるのだそう。
新潟県にある真言宗豊山派 善照寺吉田住職曰く、
「護摩というのは心に迷いがあるときや雑念を断ち切るきっかけ作りに大いに役立つのです」と。
現代人は情報の洪水で皆疲れていると思います。
心を休め、心を整えるために日常から少し離れた静かな場所で、護摩の炎を体験してみてはいかがでしょうか。
護摩についての知識は多くの書物やインターネットに情報が出ているので詳細はそちらにお任せして、ここでは護摩を体験した方の感想を中心にお伝えしたいと思います。
曼荼羅山 善照寺 吉田住職
今回、地元の有志で護摩を体験をするという企画で大勢の参加者が集まりました。
まずは住職のご挨拶から。
太く通る声は毎日の読経の賜物かと思っているとご挨拶に続けて、仏教における大切な考え方などを教えていただきました。
お経のことは知識がありませんでしたが、お経の言葉というのは普段の生活にも役立つ考え方があるのだなと知りました。
受付にて祈願したいこととお名前を木のお札に直筆で書き入れます。
御仏への祈願ですので、一文字ずつ心を込めて書きます。
参加者が大勢いらっしゃいますので、書き終えた人から甘酒をいただき待合室で待機します。
お話しが終わった後、グループを2つに分けての護摩体験となります。
護摩は「護摩堂」という別の建物で行うとのことで、お寺の本堂から護摩堂へ移動して、いよいよ本番です。
不思議な造形の祭壇に仏具が整然と配置されていて、その中央に丸い穴があります。
あそこで火を炊くのかなと想像を巡らせます。
始まりました。
お坊さんたちのお経を唱え、住職が印を結んだりして、一連の準備が整ったところで先程の丸い穴の上に住職が櫓のように木片を組み、種火を着けると火はまたたく間に大きくなります。
自分が書いた願文が仏様に届くことを願いながら、じっと炎を見つめました。
全ての護摩札が焚かれて、炎が徐々に小さくなっていき、護摩が終わるまでは時間にして30分ほどでしたが、普段の生活の中で読経を耳にすることも火柱を目にすることも滅多にありませんから、それだけでも貴重な体験といえます。
護摩の炎が自分の煩悩を焼き払ってくれて、自分自身も煩悩に打ち勝つんだ、そんな気持ちになることができた護摩体験だったと思います。
東京都 H様
受付がほぼ完了して、いよいよ一連の行事が始まります。
護摩体験
善照寺では毎月第4土曜日の午前10:00より、文中に記載のある「護摩堂」で護摩供をおこなっております。
上記日時に「護摩堂」での護摩参拝を受け付けておりますので、参拝ご希望の方や所願成就等のご祈願のある方は、こちらから事前にお申し込みください。
護摩を見たことがないという方は是非一度体験してみてください。
なお、特別祈願のある方は下記よりお問い合わせください。
お問い合わせ、お申込みは善照寺までお願いいたします。
真言宗 豊山派
曼荼羅山 善照寺
〒945-0304 新潟県刈羽郡刈羽村大字寺尾233
http://zenshouji.or.jp
mandarasan@zenshouji.or.jp
0257-45-3140
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